イラストレーターとは?イラストレーターの働き方は2種類のタイプがある
イラストレーターになりたい!!
と漠然と思っている人にこの記事を読んで欲しいと思っています。
漠然と思っている人の多くが、イラストレーターという職業が2種類あることを理解せずに、イラストレーターの道を歩き出そうとしています。
すると、本来ならやらなくていいこともしている状態なので、足並みは遅くなり、稼げないループにハマることも……。
今回の記事では、イラストレーターが2種類あって、「どちらのタイプに自分がなりたいのか……」という再確認のキッカケになればと思います。
- イラストレーターになりたい人
- イラストレーターの稼ぎ方を知りたい人
- 自分のイラストレータータイプがわからない人
イラストレーターのなり方が知りたい人は、コチラの記事をご覧ください。
イラストレーターとは
イラストレーターとは、自分の描くイラストをお金に変えていく職業です。
資格はありませんので、自分のイラストに対してお金を払ってくれる人がいれば誰でもなることはできます。
「誰でもなれる」と言ってはいますが、現在イラスト1本で生計を立てている人たちは、並々ならぬ努力や試行錯誤という土台の上で仕事をしています。
イラストレーターになるのに、「この試験を受けてここで仕事をする」といった明確な答えがないので、過去問や参考書があり資格をとることで職に直結する職業よりも大変な部分があります。
今回、この記事を書こうと思ったキッカケは、トラノスケさん(@to_ranosuke)の記事を読んだことがキッカケ。
この記事のタイトルにあるように、イラストレーターには『作家ベースのイラストレーター』と『商業ベースのイラストレーター』がいます。
ぜひ一度読んでみてください!!
トラノスケさんは商業ベースのイラストレーターさんです。
かくいう私は、商業ベースから作家ベースに転向したイラストレーターです。
どちらも経験したことから言えることを、今回まとめています。
昔はイラストレーターのタイプは『商業ベース』の1つだった
実はイラストレーターの歴史を知ると、自分が『商業ベースのイラストレーター』なのか、『作家ベースのイラストレーター』なのかわかってくるようになります。
元々イラストレーターは、「わかりにくいものをわかりやすくする」ために存在していました。
教育が平等でなかった時代、文字に頼らずとも全ての人が意味を理解するためにイラストが存在しました。
その後新聞や本といった大量に刷る技術を手に入れたことにより、イラストの需要が一気に高まります。
新聞や本の後に現れたのがポスター。
ここでイラストレーターという職業が広く知れ渡るようになります。
日本でも人気で多くの展示が行われるアルフォンス・マリア・ミュシャは、芝居のために作成した『ジスモンダ』のポスターイラストで有名になりました。
ここで認識しておいて欲しいのが、「ミュシャは商業イラストレーターでもあった」ということです。
ですが、現代のミュシャへの認識は、「画家や作家」というイメージを持っている人は多いのではないでしょうか?
実はミュシャは、現代でいう副業をしていた人です。
グラフィックデザイナーの顔もあり、イラストレーターの顔もあり、そして画家の顔もありました。
他にもいろんな要素があるとは思いますが、この画家とイラストレーターがごっちゃになってしまったことが、現代のイラストレーターという働き方が2タイプになってしまった要因になっているように感じます。
2種類のイラストレータータイプ
元々1つだったイラストレーターという働き方が、現代では2タイプになったことで、迷子が増えたことも事実。
どちらか一方を選ぶ必要はないんですが、自分がどちらを目標にしているかで起こさなければいけないアクションが変わってくるので、駆け出しの人は特に意識した方がいい部分になります。
ごっちゃになった要員のイラストレーターと画家を一括りにしてしまっているのを、あえて「別々の職業だ!!」と認識した上で紹介していきます。
商業ベースのイラストレーター
元々イラストレーターは、「わかりにくいものをわかりやすくイラストにする」ために存在していました。
この本来のイラストの役目を担うのが、商業タイプのイラストレーターです。
このタイプの人は、イラストレーターの中でも安定志向で、クライアントが喜ぶ顔・自分のイラストが世の中の役に立っていることに喜びを感じる人が多くいます。
主な収入源
主な収入源はクライアントワークです。
クライアントの要望に応えて、適切なイラストを描くことで報酬を受け取ります。
ポスター、雑誌、本の表紙、商品のパッケージ、WEBサイトのメインビジュアル……。
本当にいろんなお仕事があります。
他にも自動収入として柱の1つにできるストックイラストが挙げられます。
ストックイラストは、クライアントワークではありませんが、
こんなイラストを企業の人は欲しがるかも?
という仮想のクライアントを設定して描くことで、欲しいと思った人がイラストをダウンロードすることでダウンロード数に応じて報酬をもらう仕組みです。
メリット・デメリット
イラストレーター(商業ベースのイラストレーター)のメリット・デメリットです。
メリット
- 仕事の数が多い。
- 要望に沿えばクオリティに突出する必要がない。
- 収入が安定し易い。
- 仕事さえあれば特に有名になる必要がない。
- 駆け出しでもお金にし易い。
デメリット
- 描くものの自由度が低い。
- カットの仕事が多いので単価が低くなりがち。
- イラスト技術以外の部分の能力が重要。
- 市場も大きいが競合も多い。
- クライアントワークなので締め切りがある。
商業イラストレーターになるのに大切なこと
商業イラストレーターで大切なのは、デッサン力・マーケティング力・営業力・ヒアリングだと感じています。
市場が大きくても競合が多いので、クライアントに選んでもらえる人になることが大切になってきます。
クライアントからのどんな要望でも応えられる『デッサン力』。
自分の強みを生かせる市場を見つける『マーケティング力』。
仕事を自分で取ってこれる『営業力』。
クライアントさんが何度も頼みたくなる『ヒアリング力』。
この3つがフリーランスになって、イラストレーターとして安定して収入を得られたポイントだったと感じます。
商業イラストレーターになるには
商業イラストレーターになるモデルケースを紹介します。
モデルケース
- クライアントを意識したイラストを描く。
- ポートフォリオを作る。
- 意識したクライアントに近い業界に営業。
- リピーターになってもらえるよう良い仕事を積み重ねる。
- 描ける絵の幅を広げて自分の市場を広げていく。
営業の武器になるポートフォリオで大切なことをまとめてあります。
フリーランスのデザイナー向けに書きましたが、イラストレーターにとっても大切なことなので、コチラの記事もぜひ読んでみてください。
作家ベースのイラストレーター
次に紹介するのは、作家ベースのイラストレーター。
絵を描く作家と言えば画家ですよね。
ゴッホやピカソやモネといった芸術をイメージする人は多いかと思います。
芸術というものを崇高視した結果、「自分は画家ではない」と感じ、稼ぎ方を間違える人が多い気がします。
自分の描くイラストの希少価値を上げたい、自分の創作意欲をベースに絵を描きたい……という人は、漏れなく画家タイプです。
商業ベースのイラストレーターとは稼ぎ方が違うので、自分がどうなりたいか見極めてください。
主な収入源
作家タイプのイラストレーターには、クライアントがいません。
作家タイプは、自分の描いた作品を個展で販売する原画販売やネットショップでのグッズ販売で生計を立てます。
他にはパトロンによる支援という形もあるかもしれません。
原画やグッズの販売は個展でも行えますが、ネットショップサービスを使うことで個展に来れない距離の人でも購入が可能になります。
私が使っているネットショップはBASE(ベイス)とSTORES(ストアーズ)。
似ているサービスですが、それぞれ特徴があります。
どちらも無料で使えるので私は2つのサービスを使い分けています。
詳しくはコチラの記事をご覧ください。
イベント出展を視野に入れている人はSTORES(ストアーズ)がオススメです!!
メリット・デメリット
作家タイプのイラストレーターのメリット・デメリットです。
メリット
- 希少性が高いため高単価。
- メインビジュアルの仕事が多い。
- ブランディングがし易い。
- 描くものの自由度が高い。
- 売れると有名になれる。
デメリット
- 突出した個性や表現力や技術力が必要。
- 安定しづらい。
- 有名になるまでの道のりが遠い。
- 流行りがあるため継続や維持が難しい。
作家タイプのイラストレーターになるのに大切なこと
作家タイプで大切なことは、オリジナリティ・ファン・覚悟・販路です。
この4つがない限り、作家タイプとして生計を立てるのは難しいです。
オリジナリティがなければ、誰かの模倣という形で相手にされません。
ファンがいなければ自分の絵は売れません。
オリジナリティとファンの獲得は日々の積み重ね。
長い時間をかけても手に入れることができる保証がないので、覚悟が大切になってきます。
最後の販路は自分の作品を売る場です。
私が使っているBASE(ベイス)とSTORES(ストアーズ)といったネットショップのことです。
売る場所がなければ、収入源として成り立ちませんので!!
ファン・ゴッホは亡くなってから絵が評価された有名な画家です。
死ぬまでの最期の10年に描いた作品は2000作品以上ありましたが、生前に売れた絵は『赤い葡萄畑』の1枚のみだったと言われています。
自分のことを評価してくれる存在に出会えるかどうかで、作家タイプの稼ぎは変わってきます。
そしてその存在は第三者に委ねられるので、自分で計画の立てようがありません。
早くに出会えるかもしれないし、出会えないかもしれない。
そう言った意味で、『覚悟』がとても大切になってきます。
作家タイプのイラストレーターになるには
作家タイプのイラストレーターになる、モデルケースを紹介します。
モデルケース
- 自分の描きたいイラストを描く
- SNSやサイト、イベントなどで自分のイラストを知ってもらう
- 個展の開催やグッズを作るって販売する
作家タイプのイラストレーターはクライアントがいないというお話をしましたが、人気が出て直接オファーがもらえれば、本の装丁の絵やパッケージの絵を描くこともあります。
この場合は、作家が商業イラストの仕事をした。という考え方になります。
なので作家タイプはあくまでも、主軸は自分のイラストを買ってもらうことなのを念頭においておいてください。
私が経験した商業・作家それぞれの仕事
SNSが普及したことで自分のイラストの発表の場は増え、趣味でイラストを描いていたつもりが、いつの間にかイラストがお仕事に変わった人が増えました。
かく言う私もその1人です。
私のイラストレーターとして最初のお仕事は、某時計会社の店舗販促で使うファッションイラストでした。
その後WEBや本や雑誌のカットイラスト。
パッケージのイラスト、コミックエッセイの仕事をしました。
どれもクライアントさんがいるので、商業ベースのイラストの仕事です。
その後Yahoo!クリエイターズさんでの連載が決まりました。
Yahoo!クリエイターズはクライアントワークではありますが、自分の好きなものを自由に好きなタイミングで更新できるので、特殊なクライアントワークでした。
この連載をキッカケに商業ベースの仕事を減らし、作家ベースの活動に力を入れていくことができました。
商業ベースなのか作家ベースなのか……どちらかを選んだからもう一方はやってはいけない!!という決まりはありません。
どちらのタイプなのかわからず悩んでいる人は、まずは動いてみてください。
動かない人のところにチャンスはやってきません。
さいごに
自分が商業タイプのイラストレーターになりたいのか、作家タイプのイラストレーターになりたいのか……ここをハッキリさせると、自分の稼ぎ方がわかってきて迷子にならなくなってきます。
こんな偉そうに文章を書いてきましたが、私自身最初はどちらになりたいのかわかっていませんでした。
ですが、
私はイラストレータです!!
と胸を張って言える自信が欲しくて、まずは商業ベースにイラストレーターとして活動をスタートしました。
イラストレーターと言っても、作家ベースと商業ベースで取る行動が変わってくるので、しっかり土台を作る意味も込めて、活動を1本に絞ってみてください。
どちらか一方軌道に乗れば、作家ベースも商業ベースも並行して活動することができます。
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