こんにちは。
mone(@mone_creator)です。
インタビュー『私が出会った素敵な人』は、『選択肢を増やして世界を広げる ・失敗談をもっと世の中に』の2つをテーマにインタビューをさせてもらっています。
今回インタビューをさせてもらったのは『デザイナー』『アクセサリー作家』『コワーキングスペースひらばのスタッフ』と三足の草鞋を履くしかのまさよ(@Colorful_bambi )さん。
私がしかのさんのお話を聞きたいと思ったのはこのツイートがきっかけでした。
無知って怖いよね。仕事を取ってこなすだけがフリーランスの働き方だと思っていた昔の自分に教えてあげたい。働き方ってほんと様々あるんだよね。
ということで今月から新しい働き方が始まります。正式に決まったらお知らせしますね💁♀️— しかのまさよ|Re:デザイナー (@bambi_redesign) November 4, 2018
働き方の多様性を三足の草鞋を履きながら体現しているしかのさんの姿に憧れを感じ、話を聞いてみたいなと思っていました。
しかのさんと共通部分が多いのもインタビューをしたかった理由の1つですが私情で溢れているので割愛いたします。
しかのさんはデザイナー歴10年・フリーランス歴8年目の先輩フリーランスです。
後ろを見ずにただひたすら前を見て走り抜けてきた5年間、その5年間で気づいた事、自分を見つめる大切さを話してくれたので、ぜひ読んでみてください。
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フリーランスをしてきて一番の失敗は『一人ブラック企業』
——早速ですが、フリーランス人生で1番の失敗ってなんですか?
でも、1番の失敗は『クライアントの言いなりになってしまっていた事』ですかね。
『一人ブラック企業』でした。
——『一人ブラック企業』ってかなりのパワーワードですね!!笑
不躾な質問なんですが、低価格でお仕事されてたんですか?
低価格でお仕事していた訳ではないんですけど、値段設定を決めてこなくて……相手の言い値でお仕事していました。
ある程度お金をもらっていたので生活できていたんです。
だから満足しちゃって、自分が『一人ブラック企業』になってる事に気付かなかったんですよね。
——『一人ブラック企業』になってる事に気付いたのは何がきっかけだったんですか?
体調を崩した事がキッカケです。
フリーランスって頑張れば頑張っただけお金が入るので、どこまでできるんだろうという挑戦をしてみたんですけど、体調おかしくなりましたね。やっぱり!!笑
「このやり方じゃダメだ〜」という事に気付かされて今に至りますね。
——自分の限界に挑戦されたんですね。
やり方ですか?お仕事の仕方という事でしょうか?
クライアントとやり方が合わなかったんですよ。
無限修正って私は呼んでます。
まとまったお金をもらってるからこその暗黙のルールみたいなものなのか、自分が言わなかった事で起きていた事なのかはわからないんですけどね……!!笑
他にもスケジュールは相手が握っていたので、金曜日の夜に連絡がかかってきて「月曜日の午前中までにデザインをあげてくれ」……ということなどが5年くらい続いて。
なんかおかしいなって事に気づき始めたんです。
——5年その生活を続ける事ができていた事がまずスゴイと感心してしまいました……
『一人ブラック企業』にならないためにはどうすればよかったと思いますか?
自分のものさしをしっかり持つ事かなって思います。
自分はこの値段でこんな事をやってます!!という事を持ったうえで、合わないのであれば「さようなら」くらい言える強靭な心があれば良かったな!!って思います。
と言いつつも、「さようなら」なんてなかなかできないんでしょうけどね……笑
——確かに。
フリーランスになって1年の私ですが、「さようなら」ってなかなか勇気のいる決断ですよね。
クライアントさんの要望に答えたい。良いものを作りたい。という想いが強い人ほど、フリーランスになった時に『一人ブラック企業』になってしまいがちなのかもしれません。
そんな限界まで走っていたしかのさんは『一人ブラック企業』を1年前に卒業しています。
新しい風を取り入れるために全てを捨てた
——『一人ブラック企業』を辞めるためにしかのさんは何をしたんですか?
クライアントさんに環境改善を頼んだりしたんですか?
実は……
今までお付き合いのあったクライアントさんとのお仕事を全てやめました。
——え!?全て!?
そんな怖い事よくできましたね!!
周りの人にめっちゃ言われたんですよ!!
「新しい風を送り込みたかったら切った方が良い」って。
前のクライアントさんとお仕事していたら、結局身動き取れずに今も『一人ブラック企業』をやってる事になってたと思います。
実際最初は不安だったし売上は落ちましたけど、少しずつ上げていけてるなって実感を持って仕事してます。
——かなり思い切りが良いですね!!
新しいお仕事を探すために今はどのような営業をされてますか?
アホやったんやと思います!!笑
今は、異業種交流会に参加したり、 中小企業の展示ブースに顔を出したりしてます。
大阪って中小企業も多いんですよ。実際に展示ブースに行った事でアプローチしていける手応えを肌で感じる事ができました。
中小企業ものづくり展に行ってきました。約1300ブースあってもブースの魅せ方や話し方で熱量に大きく差が出てました。熱心に話しかけてくると思った方はやっぱり経営者さん。事業内容
と人柄が同時に見れるのでこの営業方法もアリ◎ pic.twitter.com/d1YZQ0KSm9— しかのまさよ|Re:デザイナー (@bambi_redesign) November 29, 2018
——展示ブースですか!! その発想はなかったです!!
ブースに行こうと思ったキッカケは、ハンドメイドの出店からなんですよ。
アート&てづくりバザール に出店していてその時に営業さんも来てて、それを見て「私も自分で営業しちゃえば良いんじゃないか?」って思って中小企業の展示ブース行きました。
お互いに作用しあっているデザイナーとアクセサリー作家の仕事
——ハンドメイドのお話が出たので、しかのさんの2足目の草鞋『アクセサリー作家』のお話も聞きたいです!!
アクセサリー作家を始めたキッカケはなんだったんですか?
前のお仕事が忙しい反面、待ち時間もすごくあったんですよ。
その待ち時間の中で、「稼ぐ何かはできないかな〜」っと思ってハンドメイド始めました。
友人に陶芸作家がいて、ネット販売が弱くて代わりに私がやってたノウハウもあったんで自分も何かできないかと思ってやってみました!!
なんとも浅はかでごめんなさい……笑
——浅はかだなんて!!
私も本業の空いた時間を何か有効活用できないかなという気持ちでブログを始めたので一緒ですね!!笑
アクセサリー作家とデザイナー業のバランスはどうですか?
収入の話でいえばデザインの方が全然多いです。
ただ気づいた事があって、アクセサリー作家として出店した事で新しいデザインのお仕事に繋がりました。
——アクセサリー作家として出店したのにデザインの依頼ですか?
私はデザイナーでもあるので、台紙やリーフレットを自分で作っています。
その台紙やリーフレットを他の作家さんが見て、「素敵ですね」って声をかけてくださって……そこからデザインの依頼に繋がっていったんです。
アクセサリーの出店をした事で、ほとんどの人は日常でデザイナーさんに出会う事がないというお話が聞けました。
違う市場に行けばデザイナーって重宝されるなって事をなんとなく掴めました。
今までは広告代理店や制作会社からのお仕事をいただいてたんですけど、もっと個人のお客さんともお仕事できるんじゃないかなって感じました。

——デザイナーとアクセサリー作家、別々のお仕事に見えてお互いに作用し合ってて素敵ですね!!
ちなみにデザイナーとアクセサリー作家、どちらをしている時が楽しいですか?
え〜どっちやろ……。
でも今はデザイナーやってる方が楽しいですかね。
デザインは、対相手がわかるんで!!
相手がいる方が頑張れるんですよね。
アクセサリーはアート寄りと言うか……自分を表現する場所になってます。
自分のための時間を作る『しかもく会』
——しかのさん、デザイナー・アクセサリー作家とは別にコワーキングスペースでもお仕事されていますよね?
コワーキングスペース『ひらば』と言う場所でスタッフをしています。
——これが三足目の草鞋ですね!!
イベントも多く開催されている『ひらば』さんで、しかのさんもイベント主催されています。自分と向き合うことを目的とした しかもく会 。良かったら詳しく教えていただけますか?
今年一発目のもくもく会。今回は東京や滋賀からと他府県からも参加してくれます!
基本的に請け負い仕事はNGです。名刺やサイトなど、自分と向き合うことを目的とした3時間です。未来のことや自分の見せ方など自発的に話ができることを目指しています!
その後は #ひさきメシ に参加します#しかもく会 pic.twitter.com/noqpIrLpoD— しかのまさよ|Re:デザイナー (@bambi_redesign) January 8, 2019
しかもく会は、将来を考え見据えて自分のメンテ
月に1回たった3時間、自分と向き合う時
——しかもく会もやってみようと思ったキッカケを教えてください。
自分がしてこなかったから、しようと思ったんですよね。
今までお仕事で、振り返りをして来ず突っ走って来たんです。
そしたら自分が見えなくなってしまって……
周りのクリエイターさんも自分の事をなおざりにしている人が多くいました。
「頭でわかってるけどできない」という人と一緒に、月1回……30日ある中のたった3時間自分を見直す時間を作ったら考えるキッカケになるかなって思って始めてみました。
冒頭で話した『一人ブラック企業』にも繋がるんですけど、このセルフメンテナンスをして来なかったから5年も突っ走ってしまったんですよね……笑
それと、『ひらば』という場所を知ってもらうキッカケにもしたいなって。
——私もこのセルフメンテナンスに実際参加して来ました。
自分のこれから先の人生をどんな風に生きていきたいのか、仕事では無い面と向き合う事ができました。
いいキッカケをありがとうございます。

そう言ってもらえて嬉しいです!!ありがとうございます!!
フリーランスは手段の1つ
——最後に、最近フリーランスブーム的なものがありますが、フリーランスという働き方についてどう思われますか?
フリーランスって手段の1つとしか思わないんですよ。
やりたかったらやってみれば良いと思います。
私の場合、なりたくてなったというより流れでフリーランスになった部分があります。
勤めてた1社目の会社倒産したんですよ。その後転職して研修受けたんですけど、新しい会社が合わなくて3ヶ月で辞めました。
もう、自分の力でやってみよ!!ってなったんですよね。
——3年でフリーランスになられていますよね!! 本当に思い切りがいいというか、行動派で見習いたいです。
フリーランスになった今だから思う、もっと早めに身につけておきたかった力ってありますか?
交渉できる技術も欲しかったし、フリーランスのクリエイター仲間も欲しかったし……
でも、こうやって苦労というか……1人で頑張って来れた期間があったから今いろんな人と出会えるようになったのかなとも捉えてます。
これからの若い子たちに同じような苦労を経験して欲しいとは思わないので選択肢が色々ある事は知ってもらいたいな!!なんて思います。
デザインにもたくさんの種類があるんだなって最近わかるようになって、今までは、「デザイン=デザイン事務所」ってイメージしかなかったんですよ。
だけど、「インハウスデザイナー」がいたり、「フリーランスデザイナー」がいたり、いろんな種類のデザイナーさんがいるので、自分の生活スタイルに合ってる働き方を見つける事を大切にして欲しいなって思います。
さいごに
働き方の多様性を三足の草鞋を履きながら体現しているしかのさんの姿は、前をまっすぐみながら試行錯誤を続けてきたからこそ行き着いた働き方でした。
選択肢は1つじゃない。
視野を広げていく事で見えてくる世界が変わってくる。
そんな事を教えてもらえたインタビューになりました。
しかのさん、ご協力ありがとうございました。
しかのまさよ(Re:デザイナー)
Twitter:https://twitter.com/Colorful_bambi
ブログ:https://bambi-create.com/
アクセサリー:https://www.creema.jp/c/colorful_bambi/item/onsale
Twitterでいただいた感想
Twitterでの感想、ありがとうございます。
記事の感想をぜひツイートで教えていただけると喜びます。
しかのさんのインタビュー記事を読みました。とても参考になりました。
視野を広げる方法は試行錯誤をしてみるものです。私が出会った素敵な人 | 全てが試行錯誤。視野を広げていく事で選択肢を増やしていったパラレルワーカー。 https://t.co/rMlhkXuWPh @mone_creatorさんから
— キタムラ100%@クリエイティブで海・地方を結ぶヒト&海洋生物専用イラストレータ (@BlueFieldnet) January 27, 2019
この対談はすごく面白い!✨
仕事のスタンスや今までの経歴、クライアントとの向き合い方などすごく大切なことばかり…。
このお2人は作られるものも非常に丁寧で素敵だなと、個人的に密かに慕っています…✨😌 https://t.co/k4wau1kLai— 常盤クニオ@ガーリーイラストレーター✏️ (@illustrator920) January 27, 2019
自分と向き合う時間をちゃんと作るの、大事だな~
帰省中はひたすら自分と向き合う時間にしよう。 https://t.co/LNoe3ONnXf— マチコ🍴めしデザイナー🍚 (@machikoudonco) January 26, 2019
– fin –
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